【洒落怖】私の背後に何かがいる…

2024年2月24日

私の背後に、何かがいる…

深夜、冬の寒さが身にしみるような夜でした。私は街の片隅にある古びたオフィスビルで、一人残業をしていました。ビルの中は静まり返り、時折聞こえるのは、古いエアコンが必死に働く音と、自分のキーボードを叩く音だけ。外はすでに真っ暗で、時折窓を叩く冷たい風が、このビルの孤独をより一層際立たせていました。

作業を終え、時計を見るともう深夜2時を回っていました。疲れ果てていた私は、ほとんど自動的に荷物をまとめ、オフィスを後にしました。ビルの外に出ると、冬の冷たい空気が肌を刺す。街灯がぽつぽつと立ち並ぶ道を照らしていましたが、その光は何故か遠く感じられ、暗闇がより深く感じられました。

家に帰るために足を踏み出したその瞬間、不思議な感覚に襲われました。まるで、誰かに見られているような…。しかし、振り返ってもそこには誰もいません。ただ、その感覚は消えることなく、むしろ歩を進めるごとに強くなるばかりでした。

歩を進めるうち、ふと前方の暗闇が動いたように見えました。目を凝らして見ると、何かがゆっくりと私に近づいてくるように見えます。その形ははっきりとは見えず、ただぼんやりとした人影のよう…。私の心臓は激しく打ち始め、恐怖で体が硬直してしまいました。

その時、人影は突如として形を変え、まるで霧のように消えてしまいました。しかし、その後もずっと、背後に何かがいるような感覚は消えませんでした。その夜、私は何度も後ろを振り返りましたが、誰もいない。それでも、不安と恐怖は増すばかりでした。

家に辿り着いた時、私はほっと一息つきましたが、その安堵も束の間、家の中に入ると今度は家の中にも何かがいるような気がしてなりませんでした。階段を上がる足音、廊下の隅で見え隠れする影。まるで、私を追いかけてきた何かが、家の中にも侵入してきたかのようでした。

その夜は、何度も怪しい音に起こされ、恐怖で眠れませんでした。翌朝、目を覚ますと、全てが夢だったかのように、家の中は平和そのものでした。しかし、あの夜の出来事は、私の心の中に深く刻まれました。

以来、私は夜道を歩くことが怖くなりました。あの夜見た、あるいは感じた何かが、今でもどこかで私を見つめているような気がしてなりません。それ以降、夜遅くに一人で外を歩くことは避けるようになりました。そして、あの夜以来、何かがおかしいのです。時々、人がいないはずの部屋から物音が聞こえたり、ふとした瞬間に背後に誰かの気配を感じたり…。