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【洒落怖】微笑む首

【洒落怖】微笑む首

3年前、僕は友人たちと廃屋探索のチャレンジを決意した。

その中でも、特に評判の悪い「鈴木邸」という場所を選んだ。地元の伝説によると、その家は一族全員が謎の死を遂げた場所で、特に家の主であった鈴木氏の最後が最も恐ろしかったとか。彼は首を切り落とされ、その首は今も家のどこかにあると噂されていた。

僕たちは、半信半疑でその家に足を踏み入れた。夜が深まるにつれ、僕たちの心は恐怖でいっぱいになった。

家の中は、予想以上に荒れ果てていた。壁は黒く変色し、床は腐りかけている場所もあった。探索を続けるうちに、僕たちは地下室への入り口を見つけた。躊躇しながら階段を降りていくと、そこには不気味な寒さと、なんとも言えない悪臭が漂っていた。

そして、その部屋の隅に、何かが転がっているのを見つけた。近づくにつれ、それが人間の首であることに気づいた。

その首がにやりと微笑んだ瞬間、時間が凍りつくような静けさが部屋を包んだ。

その笑顔は、一見温和で招き入れるようにも見えたが、目を凝らして見ると、その瞳には深い悲しみと、何世紀もの孤独が宿っているようだった。首はゆっくりと、まるで僕たちを評価するかのように、左から右へと視線を動かした。その動きは異様に自然で、一瞬、首がまだ生きているかのような錯覚に陥った。

僕たちは息を呑んでその場に凍りつき、動けなくなっていた。

部屋の空気が一変し、肌を這うような冷たさが増していくのが感じられた。その首は、何かを伝えようとしているかのように、微笑みを深め、次第に口を開き始めた。

しかし声は出ず、その代わり、部屋の隅々に不気味な囁きが響き渡った。言葉は聞き取れないが、その音だけで背筋が凍る。囁きは徐々に大きくなり、やがて僕たちの心を完全に支配した。

その瞬間、部屋の壁から影が這い出してくるのが見えた。

それらは形を持たず、蠢動し、部屋の中を漂っていた。影たちは首の周りを旋回し、その微笑みをより一層不気味なものに変えていった。首は僕たち一人一人の目をじっと見つめ、その視線は魂をえぐるようだった。僕たちはその視線から逃れようとしたが、足は重く、動かすことができなかった。

突然、首の微笑みが消え、部屋は再び静寂に包まれた。

影たちは壁に吸い込まれるように消えていき、僕たちはようやく自由を取り戻した。しかし、その体験は僕たちの心に深い傷を残し、その夜以来、僕たちは何かが常に後ろにいるような感覚に襲われるようになった。

僕たちは慌てて地下室から逃げ出した。
外に出ると、急に全てが静まり返り、あの首の微笑みだけが僕たちの心に残った。

それは、彼の地縛霊が抱える未解決の悲しみなのか、それとも僕たちを警告するためのものだったのか。真実は謎のままだが、あの日、僕たちは本当の恐怖を知った。そして、それは僕たちの記憶から決して消えることはない。

僕たちはその夜、何も語らずに家路についた。後日、僕はもう一度その家を訪れた。しかし、地下室の入り口はどこにも見つからず、首の存在も、あの不気味な微笑みも、すべてが幻だったかのように消えていた。

ただ一つ言えるのは、あの日、僕たちは本当に何かと対面したということ。そして、あの微笑みは、僕たちが忘れられない恐怖の記憶として、永遠に心に残るだろう。

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