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【怖い話|短編】夜のサービスエリア

夜のサービスエリア
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夜のサービスエリア

これは今から10年以上前、まだ高速が一律料金だった頃の話だ。

僕は良く名古屋ー八王子間を一人ドライブすることが多かった。というのも、就職が決まり配属されたのが名古屋。当時付き合い始めの彼女がいて、彼女に会いたい一心で毎週末になると車を飛ばし東京まで帰ってきてたんだ。

そんなある晩のこと、僕はいつものように金曜の残業を片付け、そのままの足で名古屋から八王子へと向かっていた。夜は更け、高速道路はひっそりとしていて、たまに見かける車も深夜のロングドライブを楽しむ者か、夜勤から帰る人たちだろう。いつもならリラックスして運転できるこの時間帯だが、その日はなぜか心が落ち着かなかった。

出発とドライブ

途中、静岡県のとあるサービスエリアで休憩を取ることにした。パーキングに車を停め、少し外の空気を吸いに行くと、冷たい夜風が頬を撫でた。サービスエリアはほぼ無人で、ただひっそりとした雰囲気が漂っている。一服して戻ろうとした時、遠くのパーキングエリアに、ひときわ古ぼけたバンが停車しているのが目に入った。僕はなぜかそのバンが気になり、自然と足がその方向へと向かっていた。

古ぼけたバンとの遭遇

バンの近くに行くと、運転手はいないようだった。ただ、その車内から何かが僕をじっと見ているような感覚に襲われた。そっとバンの窓から中を覗き込むと、中には誰もいない。しかし、その時、バンのドアがゆっくりと開き、中から何かが僕に話しかけるような気配を感じた。「助けて…」という声が、風に乗ってかすかに聞こえたような気がした。

その瞬間、僕は全身の血の気が引き、ヤバいと直感した。バンから離れ、急いで自分の車に戻り、その場を後にした。再び高速道路を走り出すと、心臓の鼓動が落ち着かず、頭の中はさっきのバンのことでいっぱいだった。

翌日、そのサービスエリアで行方不明者が死体で発見されたというニュースを偶然耳にした。詳細はわからなかったが、その時僕は、もしかしたらあのバンが何か関係しているのではないかとふと思った。しかし、証拠もなく、ただの直感に過ぎなかったので、警察に連絡することもなく、結局そのまま時が過ぎていった。

テレビを見る男性

今となっては、あの夜見たバンが何だったのか、あの声の正体は何だったのか知りようもない。しかし、あの声が行方不明者のもので、助けを乞う最後のチャンスだったとしたらと考えると眠れなくなる。

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