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【洒落怖】悪霊の呼び出し方

【洒落怖】悪霊の呼び出し方

ある雨の夜、私は古びた書店で一冊の本に出会った。

その本は「この世の全ての秘密」と題され、埃にまみれて棚の隅に追いやられていた。手に取った瞬間、不思議な引力を感じたのだが、その時はただの好奇心だと思っていた。

後になって、その選択がどれほど運命を狂わせることになるのか、想像もしていなかった。

家に帰ってページをめくると、一章ごとにさまざまなオカルト的な話が記されていた。中でも「悪霊を呼び出す方法」という章に目が留まった。冷やかし半分で、その章に書かれている古い呪文を読み上げてみた。その夜から奇妙なことが起こり始めた。

物音が聞こえるようになり、夜中には冷たい風が部屋の中を吹き抜けた。最初は気のせいかと思っていたが、現象は日を追うごとに激しくなり、ついには家の中に見えない存在を感じるようになった。

翌週、異変はさらに深刻なものへと変わった。夜な夜な悪夢にうなされ、目を覚ますと部屋の隅に暗い影がうずくまっているのを見た。声をかける勇気もなく、ただ凍りついたまま夜が明けるのを待った。

日中も安息は許されず、本棚から本が勝手に落ちたり、突然、冷蔵庫の扉が全力で閉じられるなど、家の中で不可解な現象が頻発した。心理的な圧迫感から逃れるために外出も試みたが、外の世界もまた不穏で、人混みの中で私をじっと見つめる影を何度も見かけた。

専門家や友人に相談しても、具体的な解決策は得られなかった。

オカルトに詳しいという人物に会い、事態の収束を願ったが、その人物は「一度開いた扉は簡単には閉じない」と言って、助けを拒んだ。絶望の中で、私は再びあの本を手に取り、解決の糸口を見つけようとした。しかし、その章はどうやっても見つからなかった。ページが消えてしまったかのように、本はまるで初めからその章が存在しなかったかのように見えた。

結局、私は家を引き払う決心をした。

新しい場所で新しい生活を始めることで、すべてを忘れられるかもしれないと考えたからだ。

しかし、引越しの日、荷造りをしていると、その本がまた私の手元に戻ってきた。どうやっても捨てられず、どこかに隠しても、いつの間にか元の場所に戻っている。その本とともに、私を取り巻く超自然の現象も続いている。今も私はその影響下にあり、逃れる方法を探し続けている。

悪霊を呼び出してしまったことが、私の人生を根底から覆したのだ。

あの夜、本に記された呪文を読んだことを深く後悔しているが、もう遅い。閉じられた扉は、もう二度と開かない。

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