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【怖い話|短編】足首を掴む手

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足首を掴む手

私は最近、夜中に起こる不思議な現象に悩まされていた。深夜、眠っていると突然足首が何かに掴まれるのだ。最初のうちはただの悪夢かと思っていた。しかし、その感覚はあまりにもリアルで何度も目を覚ますほどだった。

ある夜、いつものように足首を掴まれ、ぎょっとして目を覚ました。しかし、今回はいつもと違った。感覚は消えず、どうやら夢ではないことが分かった。勇気を出して、ベッドの下を覗いてみることにした。

そこには、信じられない光景が広がっていた。ベッドの下には、一人の女性がうずくまっていた。

彼女は虚ろな目で私の足首を掴んでおり、その手は冷たく、生気がないように感じた。彼女は静かな声で「助けて…私はここから出られないの」と言った。

その言葉を聞いた瞬間、私の心は凍りついた。恐怖で身動きが取れなくなった私は、ついに気を失ってしまった。

意識が戻った時、私はベッドに横たわっていた。部屋は静まり返っており、夜の恐怖はまるで夢のようだった。しかし、私が目を覚ますと、枕元に一束の髪の毛が置かれていた。その髪の毛は黒く、長く、見るからに古びていた。

私は震えながらその髪の毛を手に取った。それは確かに本物の髪で、どこか悲しみを帯びた感触があった。この髪の毛は、一体どこから来たのだろうか?そして、どうして私の枕元に?

次の日、私は大家にこの恐ろしい出来事を話した。大家の顔色が変わり、彼は震える声で語った。数年前、この部屋に住んでいた女性が、ある夜突然消えたのだという。警察は彼女の行方を捜索したが、結局見つからず、そのまま行方不明のままだった。

その後、部屋の次の住人も同じような体験をし、次々と引っ越していったという。大家は、「その女性の魂が部屋にとどまっているのかもしれない」と言った。

私はその夜、再び足首を掴まれるのではないかと恐怖で眠れず、部屋に閉じ込められた女性の声が聞こえるような気がした。まるで彼女が私に助けを求めているかのようだった。

私は部屋から逃げ出し、引っ越しを決意した。しかし、今もなお、夜中に目が覚めると、あの女性の虚ろな目と、冷たい手の感触が忘れられずにいる。彼女は一体何者だったのか、そして彼女の言葉の意味は何だったのか。

その答えは、今も暗闇の中に隠されたままだ。

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