【洒落怖】霧に誘う声
私は、真一と申します。大学で民俗学を教えています。今日は、皆さんに、私が調査した奇妙な体験について話したいと思います。
数年前に、私は山間部の小さな村にある古い家を訪れました。その家は、健太郎さん一家が何世代にもわたって住み続けてきた家であり、不思議な出来事が度々起こるという噂があったのです。
私は民俗学者として、その噂の真相を探るために調査に訪れました。健太郎さんから、声に誘われて廃墟へとたどり着いた体験を聞き、深い関心を抱きました。
健太郎さんと共に、声のする方へと向かう。深い霧に包まれた中、私たちは足音を忍ばせながら廃墟へと近づいていきます。廃墟は、かつて村の子供たちがよく遊んでいた場所だったそうです。
廃墟にたどり着いた私たち、周囲を見渡しますが、声の主は見当たらず、子供たちの姿もない。静寂に包まれた廃墟に、不安な空気が漂います。
その時、私は奇妙なことに気が付きました。廃墟の壁には、子供たちの絵が描かれていたのです。しかし、その絵はどれも、どこか不気味な雰囲気を漂わせています。
私は、これらの絵が何か意味を持っているのではないかと考えました。そして、絵の一つに目を奪われます。それは、子供たちが手をつないで輪になって踊っている絵でした。しかし、子供たちの顔は、どこか歪んでいて、不気味な笑みを浮かべています。
背筋に悪寒を感じる私。声の正体、そして廃墟で聞こえた笑い声の真相は、この絵の中に隠されているのかもしれない。
村の古老を訪ね、絵について尋ねます。古老は、その絵は村に伝わる古い伝承に基づいていると語ります。
伝承によると、村にはかつて、子供たちを誘い出す悪霊がいたというのです。悪霊は、子供たちの姿を模倣して、声や笑い声で誘い出す。そして、誘い出された子供たちは、二度と戻ってこなかったというのです。
健太郎さんの体験は、この悪霊によるものだったのではないかと考えました。そして、悪霊の正体を探るために、更なる調査を続けることを決意します。
古老の協力を得て、悪霊を封印するための儀式を行うことになりました。儀式は、廃墟で行われます。
健太郎さんと共に、廃墟で悪霊との対峙します。悪霊は、子供たちの姿や声を模倣して、私たちを惑わせようとします。しかし、私たちは動揺せず、儀式を続けます。
儀式がクライマックスに達した時、突如として激しい風が吹き荒れます。そして、悪霊は凄まじい叫び声を上げながら、消えていくのです。
悪霊が消えた後、村は平和を取り戻しました。健太郎さんは、私の助けによって、悪霊の恐怖から解放されました。
私は、今回の調査を通して、民俗学の奥深さを改めて実感しました。そして、今後も民俗学の研究を通して、人々の生活に貢献していくことを誓います。
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