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【怖い話|短編】追跡者の山

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追跡者の山

俺は大学の夏休みを利用して、久しぶりに田舎のじいちゃんの家に帰省した。

じいちゃん家は山のふもとにあり、周囲は自然に囲まれていた。

中学生ぶりで懐かしさもあり、近くの山を散策することにしたんだ。
木々が茂る静かな山道を歩いていると、突然、背後から何かが追いかけてくる音が。

振り返ると、俺とほとんど変わらない背丈の「鬼のような妖怪」がいて、恐怖にかられて必死で逃げ出した。

その妖怪をどうにか撒いて、じいちゃんの家に戻ったけど、その晩からおかしなことが起こり始めた。
家の外で何かがうろついている音がするんだ。

じいちゃんにその話をすると、彼は深刻な表情で、

「昔からその山には人を追いかける妖怪がいる」

と教えてくれた。
その妖怪は、昔、村の人々を襲ったという伝説があったそうだ。

俺はすぐ都内の自宅に戻された。

自宅に戻ってからも、俺の周りで不可解な出来事は続いた。
影がつけまわし、窓の外で何かが見え隠れする。

もしかして、妖怪が都内まで追いかけてきているのかと思うと恐ろしかった。

精神的に追い詰められた俺は、有名な霊能者を訪ねることにしたんだ。

霊能者は僕に特別なお守りを渡してくれた。
「これがあれば、もう追いかけられることはない」と言ってくれた。

お守りを持ってから、妖怪の姿は見えなくなったけど、いつも何かに監視されているような感覚が残った。

お守りは僕を守ってくれているけど、妖怪の存在は依然として僕の近くに潜んでいるような気がする。

あの日から、俺は夜になると必ず窓の外を確認するようになった。

時には、遠くの影が動くのが見えることもある。
それが妖怪なのか、ただの気のせいなのか、わからない。

でも、あの日の恐怖は忘れられない。
夏の終わりになると、あの山での出来事は僕に深い心の傷を残した。忘れることはできない体験だった。

今でも、時々、あの妖怪のことを夢に見るんだ。
目が覚めると、身体が冷たくなっている。

あの山にはもう二度と行きたくない。

そして、あの妖怪から逃れられる日が来るのかどうか、それさえもわからない。

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