【不思議】時が止まる村
昔々、世界の片隅に「時が止まる村」と呼ばれる小さな村がありました。
この村は、一見普通の村のように見えましたが、不思議なことに、村の時計は全て同じ時間で止まっていました。
村人たちは、どんなに時計を巻き直しても、午後3時17分に戻ってしまうのです。
ある日、好奇心旺盛な旅人がこの村を訪れました。
彼は、止まった時計の謎を解き明かすために、村を探検し始めました。
しかし、村人たちは彼に対して不思議なほど無関心で、彼の質問には曖昧な答えしか返してきませんでした。
旅人が村の中心にある古い教会にたどり着くと、そこで初めて、時計が動く瞬間を目撃しました。
突然、村中の時計が動き出し、午後3時18分に進んだのです。
しかし、その瞬間、村全体が一斉に動きを止めました。
驚愕した旅人は、動かなくなった村人たちの間を歩き回りましたが、誰も彼に反応しませんでした。
彼は、時計が進むと村人たちが時間に縛られなくなることに気づきました。
つまり、時計が止まっている間、村人たちは普通に動いて生活しているのです。
彼は教会の中に入り、そこで古い日記を見つけました。
日記には、かつてこの村にかけられた呪いについて書かれていました。
呪いにより、村は時間の流れから切り離され、時計が一定の時間を超えると、時間がリセットされるのです。
旅人は、この呪いを解く手がかりを探しましたが、見つかりませんでした。
そして、彼が教会を出ると、時計は再び午後3時17分に戻り、村は活気を取り戻しました。
村人たちは旅人の存在を全く覚えていないようでした。
その日以来、旅人は「時が止まる村」の謎を解明するために何度も村を訪れましたが、毎回同じ結果に終わりました。
村は時間の狭間に閉じ込められたままで、旅人にはその秘密を解き明かすことはできませんでした。
そして、この奇妙な村の存在は、今もなお旅人たちの間で囁かれています。
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