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【怖い話|短編】『消えた友人の声』

存在が消えかけた友人
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消えた友人の声

私の小学生時代の話です。私にはとても仲の良かった友人がいましたが、ある日突然、彼女は学校に来なくなりました。教室では、誰も彼女のことを話さなくなり、まるで彼女がこの世から最初から存在しなかったかのようでした。

ある夜、私は奇妙な夢を見ました。夢の中で私は学校の廊下を歩いていましたが、廊下の端には不気味な暗闇が広がっていました。すると、その暗闇から友人の声が聞こえてきたんです。

夜の学校の廊下

「助けて…」と。

翌朝、その夢を思い出しながら学校に行くと、友人の机がなくなっていました。まるで最初から彼女がいなかったかのように。しかし、私は彼女と過ごした思い出が鮮明に残っていました。

その日の放課後、私はふとしたことから学校の古い資料室に迷い込みました。中にはほこりが積もった古い文書や写真があり、その中に一枚の古いクラス写真を見つけたんです。そこには、笑っている私と、隣にいるはずのない友人の姿が…。その友人の顔はなぜか写真から消えかかっていました。怖くなって資料室から飛び出したとき、背後から友人の声が聞こえてきました。

「なぜ、私を忘れるの?」

その声は悲しく、そして少し怒っているようにも聞こえました。その夜、再び同じ夢を見ました。廊下の暗闇から友人の声が「なぜ、私を見てくれないの?」と聞こえてきます。恐怖で目が覚めたとき、私の部屋には彼女の影のようなものが見えた気がしました。

黒い人影のようなもの

次の日、学校で彼女のことを聞いて回ったんですが、誰も彼女のことを覚えていませんでした。先生に尋ねても、「そんな生徒はいなかった」と言われるばかり。でも、私は彼女と過ごした時間をはっきりと覚えています。

その後も、彼女の声は時々私の耳元で囁くように聞こえてきました。特に夜、静かなときには彼女の声が聞こえてくるような気がして、一人でいるのが怖くなりました。

結局、彼女に何が起こったのか、なぜ彼女だけが皆の記憶から消え去ったのか、真実はわかりませんでした。ただ、私の心の中には、今も彼女の声が響いています。

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