心霊写真の撮れるアプリ
東京の新たな生活を始めたばかりの大学生、陽一は、まだ馴染めずにいた。新しい友達も少なく、一人の時間が多かった彼は、寂しさを紛らわせるためにスマートフォンで面白そうなアプリを探していた。
その中で、彼の目を引いたのは「心霊写真が撮れる」という不思議なアプリだった。評価は全くされていなかったが、心霊現象に以前から興味があった陽一は、躊躇することなくアプリをインストールした。
アプリを開き、自宅の部屋で試しにカメラを向けてみると、スクリーンには数多の霊がうごめいているように映った。
この光景に興奮した陽一は、「これは友達作りの良い話題になるかもしれない」と考えた。
しかし、彼がインストールしたアプリは「絶対にインストールしてはいけない」という警告で有名なものであることが分かった。使用したユーザーは、謎の失踪を遂げたり、恐ろしい最期を迎えたりするという噂があった。評価がなかったのは、誰も生き残って警告することができなかったからだ。
ネット上ではこんな話しが残っている。
ある大学生がこのアプリをインストールした後、隣に住む住人から管理人宛に「猛獣の鳴き声がする」と通報が入った。その翌日、彼の部屋は荒れ放題になっており、その大学生はは跡形もなく消えていた。携帯電話だけが部屋の中央に置かれており、画面には何かに引きずられている大学生の姿が映し出されていた。
ある女性の場合、このアプリを使って心霊スポットで写真を撮影した。帰宅後、彼女は何者かに追われているような様子で家の窓から飛び出し、そのまま落下し死亡した。目撃者によると、事故の直前に彼女は空中に向かって叫んでおり、恐怖に満ちた表情をしていたと言う。
ある男性は、自宅でこのアプリを試した後、家の中で不可解な現象に悩まされるようになった。夜な夜な物音がし、家具が勝手に動くことが頻繁にあり、彼は次第に精神を病んでいく。ある晩、彼は家の中で何かに襲われたような形跡を残し、その場で命を落とした。
陽一は、翌日都内の公園で冷たくなっているところを発見された。彼の携帯からは、アプリを通じて撮影された最後の写真が見つかった。その写真には、彼が恐怖に満ちた表情で何かに引きずられる様子が映っていた。周囲には多くの霊が写っており、彼がどんな恐怖を感じていたかを物語っていた。
警察は陽一の死因を特定できず、彼の周囲で起きた出来事も解明できなかった。この事件はやがて忘れ去られることとなり、アプリも見つからなくなった。しかし、時折ネット上で似たような話が浮上し、都市伝説として語り継がれていくのだった。
あなたも、見知らぬアプリには気をつけてほしい。
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