【洒落怖】封印されし影
おい、聞いてくれよ。
これ、まじで3年前の話なんだけどさ、人生で一番やばかった夜のこと。あの時は本当に、もうダメかと思ったんだ。
始まりは、家に変な雰囲気が漂い始めたことからだったんだよね。最初は「あれ?ちょっと寒いかな?」くらいだったんだけど、徐々におかしなことが起きるようになって。物が勝手に落ちたり、夜中に誰もいないはずの廊下で足音が聞こえてきたり。
正直、怖くて夜も眠れなくなっちゃってさ。
あの時はね、本当にどうしようもなくてさ。ネットで色々調べたり、友達に聞いたりして、最終的に「この僧侶ならなんとかしてくれるかも」という噂を聞きつけたんだ。
でも、その僧侶さんがいる寺までが、マジで遠くてね。車で行けるところまで行って、あとは徒歩で山を登るしかなかったんだよ。行きはまだしも、帰りのことを考えるとちょっとね…。
でも、もうそれしか道がないと思って、覚悟を決めて出発したわけ。リュックには水と食料、そして悪霊に関するメモや家の写真を詰め込んでね。山を登り始めてから5時間、足は棒のようになって、何度も「マジでここで引き返そうか」と思ったよ。
でも、途中で出会った山の景色がなんとも言えず美しくて、それがなんだか励みになったんだ。
やっとの思いで僧侶さんのいる寺に着いた時は、もう感動もひとしおだったよ。僧侶さんは、そんな俺を温かく迎えてくれて、一通り話を聞いてくれた後で「わかった、力になろう」と言ってくれたんだ。
そして、いざ対決の夜。
僧侶さんが持ってきたお札やお経を使って、家の中で儀式を始めたんだけど、その瞬間から悪霊が暴れ出してさ。突然、家の中の物が勝手に動き出して、壁にぶつかったり床を滑り回ったり。
ガラスの食器が割れて、部屋中がまるで台風が通り抜けたみたいにぐちゃぐちゃになっちゃって。僧侶さんも俺も、何とかお経を唱え続けるんだけど、その間、俺たちはずっと物が飛んでくるのを避けながら、必死に耐えてたんだ。
本当にその時は、「これ、生きて出られるのかな…」って思ったよ。でも、僧侶さんの力強いお経と、俺たちの必死の願いが通じたのか、何時間か経って、ようやく家の中が静まり返ったんだ。
悪霊を完全には退治できなかったけど、僧侶さんがその場で強力な封印を施してくれてね。それからは、あんな恐怖は二度と味わってないよ。
マジで、あの僧侶さんとの出会いがなかったら、俺、今ここにはいなかったかもしれない。家がぐちゃぐちゃになったのは大変だったけど、あれはあれで、なんかすごい経験だったよね。
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