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【怖い話|短編】救済か、破滅か

救済か、破滅か
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救済か、破滅か

あの日、私はいつものようにテレビを見ていた。画面には、新型ウイルスの感染者数が刻々と増えていく様子が映し出されていた。

希望の光と不穏な影

「一体、いつになったらこの悪夢は終わるんだろう…」

私は、ため息をつきながらリモコンを手に取った。チャンネルを変えても、どの局もウイルス関連のニュースばかりだ。

そんな時、画面に衝撃的なニュース速報が流れた。

「新型ウイルスワクチン、ついに完成!」

私は、思わずテレビの前に身を乗り出した。ワクチンが完成したということは、この地獄のような日々も終わりを迎えるということだ。

しかし、私の期待はすぐに打ち砕かれた。ワクチン接種が始まってから数週間後、奇妙な噂が流れ始めたのだ。

「ワクチンを接種した人が、まるでゾンビみたいになってるらしい…」

真実の探求と絶望の淵

私は、そんな噂を一笑に付した。ワクチンがそんな副作用を引き起こすはずがない。

しかし、その噂は日に日に現実味を帯びていった。街中で、まるで自我を失ったかのように徘徊する人々を見かけるようになったのだ。彼らの目は虚ろで、口からはよだれが垂れている。

「まさか、あの噂は本当だったのか…?」

私は、恐怖で震え上がった。そして、ある決意をした。ワクチンを接種していない私は、このワクチンの真実を暴かなければならない。

私は、ワクチンの情報を集め始めた。インターネット、図書館、そして、人々の噂話。あらゆる情報を集めるうちに、私はある廃墟にたどり着いた。そこは、かつてワクチン開発が行われていた研究所だった。

廃墟の中を探索していると、私は一枚の書類を発見した。それは、ワクチンの副作用について詳細に記された報告書だった。

「やっぱり、ワクチンには恐ろしい副作用があったんだ…」

私は、怒りで震えながら報告書を読み進めた。ワクチンは、ウイルスを抑制するだけでなく、人間の精神を破壊する効果もあったのだ。

私は、この情報を世界に発信しようとした。しかし、政府に捕まってしまった。彼らは、私をワクチン開発の被験者にするつもりだった。

孤独な抵抗と希望の灯火

私は、絶望の中でワクチンを接種された。しかし、私は自我を失わなかった。ワクチンの副作用に打ち勝ったのだ。

私は、政府の研究所から脱出し、世界にワクチンの真実を伝えた。人々は、ワクチンの恐ろしさを知り、接種を拒否するようになった。

政府は崩壊し、世界は救われた。しかし、私は孤独だった。ワクチンを接種していない人間は、ほとんど残っていなかったからだ。

変わり果てた世界と未来への祈り

私は、変わり果てた世界をさまよいながら、いつか元の平和な世界に戻れることを願う。

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