【洒落怖】古びた洋館
6年前のことだ。
友人の実家で起きた心霊体験が、私の人生を一変させた。それは、忘れられない夏の夜のことで、私たちは半信半疑で心霊スポットと噂されるその家を訪れていた。
友人の家は、古びた洋館で、地元では幽霊が出ると噂されていた。
(友人家族は気にしていない様子だったが…)
彼の家族は旅行で留守だったため、私たちはその家で一夜を過ごすことになった。最初は興奮していた。しかし、夜が深まるにつれ、その興奮は恐怖へと変わった。
夜中になると、家の中から奇妙な音が聞こえ始めた。
最初は遠くで聞こえる足音のようだった。それが徐々に近づいてくると、今度は明らかに階段を上がってくる音がした。私たちは凍りついた。息を殺し、恐怖で震えながら、音のする方向を見つめた。しかし、そこには誰もいなかった。
その後、一階のリビングから物が落ちる音がした。私たちは勇気を出してリビングへと向かった。
しかし、そこには何もなく、ただ、床には古びた人形が一つ、転がっているだけだった。その人形は、なぜか一人でに動いたかのように見えた。その瞬間、私は何者かの冷たい手が肩を掴む感覚に襲われた。振り返ると、そこには誰もいなかった。
恐怖のあまり、私たちはその家を飛び出し、夜通し外で過ごした。
日が昇り、ようやく家に戻る勇気が出たが、その家の中は何事もなかったかのように静かだった。しかし、私たちはその夜の出来事を決して忘れることはできなかった。
その日から、私は霊障に悩まされるようになった。
夜ごとに奇妙な夢を見ては目を覚ます。夢の中で、私はいつもその古びた人形に追われている。目覚めると、その恐怖が現実のもののように感じられる。友人とその家について話すこともあったが、彼もまた同じように悩まされているようだった。
今もまだ、私はその心霊体験の影響から完全に逃れることができていない。
時折、家の中で人の気配を感じたり、物音がすることがある。科学的な説明を求めようとしたが、答えは見つからなかった。
私たちがその夜に体験したことが何だったのか、真実はまだわからない。
しかし、一つ確かなことは、私たちが体験した恐怖は現実のものだったということだ。それ以来、私は「怖い話」や「幽霊」、「呪い」といった言葉を軽んじることができなくなった。
そして、その体験は私の人生に消えない影を落とし続けている。
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