【洒落怖】東北にある地方の不可解な出来事
私は都会育ちで、地方の不思議な話にはあまり関心がありませんでした。
しかし、ある日、東北地方の小さな村で体験したことで、私の考えは一変しました。
その村は、古くから伝わる奇妙な風習があるという噂を耳にし、興味本位で訪れたのですが、想像以上の恐怖を経験することになるとは、その時は思いもよりませんでした。
村に着いた初日、私は地元の人々の冷たい視線を感じました。
彼らは明らかに外部からの訪問者に慣れていない様子で、私の質問にも曖昧な答えしか返してくれませんでした。
しかし、村の片隅に住む老婆だけが、私に話をしてくれました。彼女の話によると、この村には古くから不思議な出来事が起こっており、そのたびに村人が消えていくというのです。
その夜、私は森から聞こえてくる不気味な声に目覚めました。
外を見ると、森の奥から漏れる不自然な光が私の好奇心を刺激しました。怯えつつも、その光源を探るために森へと足を踏み入れました。深夜の森は、静寂と不気味な雰囲気に満ち溢れていました。木々の間を縫うように進んだ時、突然私の足元に何か柔らかいものが触れました。
驚いて懐中電灯を向けると、そこには大量の羽が散乱していました。鳥の羽だったのですが、その数の多さと散らばり方が異様でした。
更に奥へ進むと、焚き火のような光が見えてきました。そこには、村人たちが輪になって立っており、その中央で奇妙な儀式が行われていました。彼らは何かを唱えながら、中央に置かれた木彫りの偶像に向かって何かを捧げているようでした。
私は隠れてその様子を観察していましたが、突然一人の村人が地面に倒れ、他の村人たちが彼に近づきました。彼らの手には鋭利な刃物が握られており、彼らはその刃物で倒れた村人に傷をつけ始めました。
血が地面に滴り落ち、その光景に私は凍りつきました。
刃物による傷は深く、倒れた村人は苦痛の声を上げながらも、抵抗することができませんでした。
その時、私は気づきました。
この儀式は、村を守るために行われているのではなく、何か恐ろしい力を鎮めるために、犠牲を捧げるものだったのです。
私はその場を離れようとしましたが、枝を踏んでしまい、その音で村人たちに気づかれてしまいました。彼らは私に気づくと、一斉にこちらを見つめ、刃物を手に迫ってきました。私は恐怖で足が動かず、ただ立ち尽くすしかありませんでした。
その時、老婆が突如現れ、私をそこから連れ出してくれました。
彼女は私に、この儀式が村の古い伝承に基づいており、村外の者が目撃することは許されないと語りました。そして、村人たちが私を許すことはないだろうと警告しました。
老婆の家に避難した私は、彼女から更に詳細を聞きました。
この儀式は数世代にわたって続いており、時には村人自身が犠牲になることもあるとのこと。犠牲者は選ばれし者とされ、その血を流すことで村に安寧をもたらすと信じられていました。
しかし、私はその信仰の裏に隠された恐怖と暴力に心を痛め、一刻も早く村を離れたいと強く願いました。
その夜、私は何もかもを忘れて逃げ出すことに決め、老婆の助けを借りて、村の外へとこっそりと抜け出しました。
森を抜ける際、私は再び羽の散らばる場所を通りましたが、今度はその羽が何を意味しているのか理解していました。それは犠牲者の悲痛な叫びのように聞こえました。
あの恐ろしい夜の記憶は今も私の心に深く刻まれています。
あの儀式は今も続いているのでしょうか。。。
この話を聞いたあなたも、もしかすると、東北のどこかの村に足を踏み入れることがあるかもしれません。その時は、くれぐれも注意してください。
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