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【洒落怖】鏡の中

【洒落怖】鏡の中

薄暗い部屋で、私は鏡を見つめていた。鏡に映る自分の顔は、どこか虚ろで、生気を感じない。

数日前から、私は奇妙な夢に悩まされていた。夢の中で、私は鏡に映る自分と対峙していた。鏡の中の自分は、私に語りかけてくる。

「助けて……私を助けてくれ……」

その声は、苦しそうで、悲痛だった。夢から覚めても、その声は耳から離れず、私は次第に追い詰められていく。

鏡を見つめながら、私は自分に問いかけた。

「あなたは誰なの?何を助けてほしいの?」

鏡の中の自分は、何も答えなかった。ただ、虚ろな目で私を見つめているだけだった。

私は、鏡に映る自分の顔に手を伸ばした。すると、鏡が突然割れ、無数の破片が床に散らばった。

破片の隙間から、私は奇妙な空間を見た。それは、真っ暗な部屋で、鏡が一面に並べられている空間だった。

私は、恐る恐るその空間へと足を踏み入れた。すると、鏡に映る自分の姿が、次々と現れた。

それぞれの鏡の中の自分は、異なる表情を浮かべている。苦しそうな顔、怒った顔、悲しい顔、そして狂気のような笑顔。

私は、鏡の中の自分に囲まれ、恐怖に震えた。そして、背後から声が聞こえた。

「助けて……私を助けてくれ……」

振り返ると、そこには鏡の中の自分が立っていた。その目は、血で充血し、異様な光を放っていた。

鏡の中の自分は、私に向かってゆっくりと近づいてきた。そして、私の首に手を伸ばした。

「助けて……!」

私は、必死に抵抗したが、鏡の中の自分は強かった。そして、私の首を絞め始めた。

息が苦しくなり、意識が遠のいていく。

「これが……私の罰なのね……」

最後の力を振り絞って、私は鏡の中の自分を見つめた。すると、鏡の中の自分は、苦しそうな表情を浮かべていた。

そして、鏡が割れ、無数の破片が床に散らばった。

私は、床に倒れ込み、息を切らした。

鏡の中の自分は、消えてしまったのだろうか?

私は、再び鏡を見つめた。鏡に映る自分の顔は、相変わらず虚ろで、生気を感じない。

しかし、どこか以前とは違うような気がした。

鏡の中の自分は、私に微笑んでいるように見えた。

「ありがとう……助けてくれて……」

私は、鏡の中の自分に語りかけた。

鏡の中の自分は、何も答えなかった。ただ、優しい目で私を見つめているだけだった。

私は、鏡の前から立ち去った。

背後から、鏡が割れる音が聞こえた。

私は、振り返らなかった。

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