呪縛の館
都会の喧騒から離れた郊外に、古びた一軒家があった。その家は、地元では「幽霊屋敷」として有名で、誰も近づくことはなかった。しかし、大学生の私は、オカルト研究のため、その家に一晩泊まることにした。
薄暗い夕暮れ時、私は幽霊屋敷の前に立った。古びた木製の扉は、今にも崩れ落ちそうで、錆びついた蝶番が不気味な音を立てていた。意を決して扉を開けると、カビ臭い空気が鼻をついた。
中は薄暗く、埃っぽい家具が不気味な影を落としていた。私は懐中電灯を取り出し、恐る恐る家の中を探索し始めた。
二階には、古びた書斎があった。壁一面の本棚には、古書がびっしりと並んでいる。私は興味を惹かれ、適当に本を手に取った。それは、この家の過去の住人によって書かれた日記だった。
日記には、この家の恐ろしい歴史が記されていた。かつて、この家には、ある家族が住んでいた。しかし、ある日、一家全員が謎の失踪を遂げた。その後、この家に入った者は、次々と不幸な目に遭ったという。
私は背筋がゾッとした。しかし、好奇心は恐怖を上回った。私は日記を読み進めた。
日記には、ある呪いのことが書かれていた。この家に住んでいた家族は、ある邪悪な儀式を行った。その結果、この家は呪われ、悪霊が住み着くようになったという。
私は恐怖で震え上がった。しかし、もう後戻りはできない。私はこの呪いを解く方法を見つけなければならなかった。
私は書斎をくまなく探し、古文書を発見した。そこには、呪いを解くための方法が記されていた。それは、真夜中に、家の裏庭にある井戸に、特定の呪文を唱えながら、生贄を捧げるというものだった。
真夜中が近づくと、私は裏庭に向かった。古井戸は、闇の中に不気味な姿を現していた。私は呪文を唱えながら、生贄となる鶏を井戸に投げ入れた。
すると、井戸の中から、恐ろしい声が聞こえてきた。「お前は、我々を解放しようというのか?それは許されない。お前も、我々と同じように、この家に囚われるのだ!」
次の瞬間、井戸から黒い霧が噴き出し、私を包み込んだ。私は意識を失った。
目が覚めると、私はまだ書斎にいた。しかし、何かがおかしい。窓の外は、まだ暗い。時計を見ると、まだ真夜中だった。
私は恐怖で震えながら、書斎を飛び出した。しかし、家の中は、まるで迷路のように変化していた。私は出口を見つけられず、家の中を彷徨い続けた。
そして、私は気づいた。私は、あの古文書に書かれていた呪いに囚われてしまったのだ。私は、この家から永遠に出られない。
私は絶望の淵に立たされた。しかし、諦めるわけにはいかない。私は、この呪いを解く方法を必ず見つけ出す。たとえ、それが何年かかろうとも。
幽霊屋敷は、今もそこに佇んでいる。そして、私のように、呪いに囚われた者たちが、今も家の中を彷徨い続けている。
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