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【怖い話|短編】ネット通販の宅配

ネット通販の宅配
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ネット通販の宅配

大学生のA君はある週末、友人のB君と夜遅くまで遊んだ後、朝方自宅に戻りました。

夜遊びからの帰宅

寝る間を惜しみ朝まで起きていたため、その日の夕方まで深く眠ってしまいます。すると、見慣れない電話番号からの着信で目を覚まします。目覚めたばかりで、まだ半分夢の中のような状態でしたが、この時すっかりネット通販で服を注文したことは忘れていました。

着信と目覚め

「宅配便です。お荷物をお届けに上がりましたが、ご在宅でしょうか?」との問いかけに対し、A君は「申し訳ありませんが、今は外出していて…」と、面倒くささと身に覚えのない配達に、反射的に嘘をついてしまいます。相手は「承知しました。不在票を入れておきますね」と答え、電話は終わります。

通話を終えた後、「あ、服注文してたわ」と、A君は思い出しますが、すでに遅し。その瞬間、家の外からドアノブをガチャガチャと回す音が聞こえてきます。「え?」と思い、玄関に備え付けておいた防犯カメラの映像をスマホで確認すると、そこには包丁を手にした見知らぬ人物が映っていました。

防犯カメラの映像

この人物は、黒い服を着て、顔を隠しながら、A君の家のドアを開けようと試みています。A君は恐怖で固まりながらも、急いで警察に通報します。

警察への通報

心臓が冷たい恐怖で締め付けられる中、A君は警察に電話をする。男はドアを叩きながら、不気味に「開けてください、中に入らせてください」と囁き続ける。警察が到着するまでの間、A君は部屋の隅で物音を立てないように震えながら待ちました。

警察が到着した時、男はすでに姿を消していました。彼らはA君の証言と防犯カメラの映像を基に捜査を開始しましたが、男の身元を特定することはできませんでした。その夜以降、A君は不安と恐怖で眠れなくなり、夜が来るたびにドアノブがガチャガチャと音を立てる幻聴に怯えるようになりました。

数日が経過し、A君の恐怖心が薄れてきたある夜、再び携帯電話が鳴りました。今回も見知らぬ番号。恐る恐る通話に応答すると、ぞっとしました。

「宅配便です。再配達に伺いましたが、ご在宅でしょうか?」

A君が「すみません、外出しています…」と答えると、通話は突如として切れました。そして、まさにその瞬間、家の外から強い力でドアを叩く音がしました。ドンドンドン!ドンドンドン!防犯カメラを確認することもできず、A君はただただ恐怖で震えるだけでした。

警察を再度呼ぶべきか、それとも自力で何とかするべきか、決断できずにいるうちに、叩く音は次第に激しさを増していきました。A君は危険にさらされていることを悟り、身を守るための隠れ場所を必死で探しました。クローゼットの中、ベッドの下、どこに隠れるべきか、一秒一秒が永遠のように感じられます。

警察車両の到着

しかし、その時、外から聞こえたのは警察車両のサイレンの音でした。どうやら、近隣の住人が異常な騒音に気付き、警察に通報してくれたようでした。警察が到着すると、ドアを叩いていた人物の姿は既にありませんでしたが、この一件でA君は深い心的外傷を負うことになりました。

A君は実家へと引っ越しました。犯人は未だ特定できていなそうです。

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