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【怖い話|短編】死神の視線

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死神の視線

私の友人には、不思議な能力がある。彼女は時々、人が死ぬ前兆を感じ取ることができると言っていた。彼女によると、それは死神が近くにいるからだという。

ある夜、彼女から突然の電話があった。「今、私の部屋に死神がいるの」と彼女は言った。声は震えていた。私は半信半疑だったが、彼女のために彼女の家に急いだ。

彼女の部屋に着くと、彼女は真っ白になった顔で窓の外を指さしていた。「見て、あれが死神よ」と彼女は言った。しかし、私には何も見えなかった。ただの暗闇だけ。

彼女はしきりに「あの影が近づいてくるのよ」と繰り返し言っていた。そして、彼女は急に倒れた。病院に運ばれたが、すでに手遅れだった。医師は心臓発作だと言った。

その後、私は彼女の部屋を訪れることにした。彼女が指さしていた窓の外を見たとき、私は驚愕した。彼女の部屋の窓からは、隣の建物の壁が見えるだけだった。彼女が見たという「影」が存在する余地はなかったのだ。

彼女は一体、何を見たのだろう?私には答えが見つからない。ただ一つ言えるのは、彼女が死神を見たと信じて疑わなかったことだ。

私の友人が亡くなってから数週間が経った。彼女が死神の存在を感じ取る能力について話していたことを、私はずっと考えていた。しかし、ある夜、私の人生は一変した。

私は夢にうなされて目覚めた。夢の中で、私は死神のような影を見ていた。その影は、私に向かってゆっくりと近づいてくる…。目が覚めても、その恐怖は消えなかった。

それからというもの、私は不思議な体験をするようになった。人が亡くなる前兆を感じるようになったのだ。最初は偶然だと思ったが、その感覚はどんどん強くなっていった。

私は友人のように、死神が近くにいるのを感じるようになった。しかし、彼女とは違って、私には死神の姿が見える。暗闇の中で、ぼんやりとした人影がうごめいているのが見えた。

私は恐怖と共に、ある疑問を抱いた。なぜ、この能力が私に受け継がれたのか?友人の死が私に何かを託したのだろうか?

その答えは、未だに分からない。私はこの能力と共に生きていくしかない。人が亡くなる前兆を感じる度に、私は深い悲しみと共に、あの夜、友人が感じた恐怖を思い出す。

私はこの秘密を誰にも話せない。ただひとり、死神の影と向き合いながら、不思議な運命を受け入れるしかないのだ。

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