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【怖い話】蝕む音 Part 2

蝕む音

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蝕む音 Part 2

日増しに大きくなる異音

音はますます大きくなり、私の生活に暗い影を落としていた。

日中はそれほど気にならないが、夜になると家全体に響くように感じられ、安眠などできる状況ではなくなってきた。私は次第に夜が怖くなり、布団の中で耳を塞ぎながら、なんとか眠ろうと努める日々が続いた。特に、夜の静けさが深まるとその音は際立ち、壁の中を這い回るように感じた。

夜に鳴り響く異音

ある晩、音があまりにも大きく、とうとう眠れなくなった私は、ふと窓の外を見ることにした。外は真っ暗で、時折、街灯が弱々しく輝いているだけだった。

すると、窓の向こう側に奇妙な影が動くのが目に入った。私は驚いて身を起こし、目を凝らして外を見つめた。何かが庭の端で動いているのだ。それは、明らかに普通のものではなかった。

心臓がドクドクと音を立てる中、私は思い切って外へ出ることにした。何か異変が起きているという直感が働いたからだ。

懐中電灯を手に持ち、玄関のドアを開けた瞬間、冷たい風が私の頬を撫でた。周囲は静まり返っており、虫の音さえ聞こえない異様な雰囲気が漂っていた。

庭での調査

足を踏み出し、庭に向かうと、あの音がまた聞こえてきた。だが今度は、家の中ではなく、外からだ。音が家の外壁を伝わって響いている。私は光を頼りに音の発生源を探し始めた。何かが確実にそこにいる──そんな確信があった。

庭の端に近づくと、地面に目を向けた私は異様なものを目にした。そこには、奇妙な模様が土の上に描かれていた。それはまるで、何かの儀式を行うために作られたような幾何学的な紋様だった。

土が掘られ、その中心には古びた木の箱が埋められていた。箱の表面には、長い年月を経て擦り切れた痕跡があり、蓋の隙間から何かが覗いている。

奇妙な紋様と箱の発見

私は恐る恐るその箱に近づき、手で触れてみた。すると、箱がかすかに動き、再びあの音が耳元で響き渡った。音の正体はこの箱なのか? しかし、音はすぐに消え、静寂が戻った。私は箱を開けることをためらったが、どうしても中身が気になり、ゆっくりと蓋を開けることにした。

蓋を開けると、中には古びた紙片が数枚と、何か奇妙な人形が入っていた。人形は木で作られたもので、目がくり抜かれ、不気味な表情をしていた。紙片には、かすれた文字で何かが書かれていたが、読み取ることはできなかった。背筋に冷たいものが走り、私はすぐに箱を閉じた。

その瞬間、再び音が響き渡り、今度はより大きな音と共に地面が微かに震えた。私は慌てて後退りし、懐中電灯の光を再び庭全体に向けたが、何も見つからなかった。ただ、あの奇妙な箱だけがそこに残されていた。私は恐怖心に駆られ、すぐに家の中へと戻った。

家の中に戻ると、音はすっかり消えていた。しかし、私の心には大きな不安が残っていた。あの箱は何だったのか? そして、なぜ家の外に埋められていたのか。私の頭の中で疑問がぐるぐると巡り、答えのないまま、その夜も眠れぬ時間が過ぎていった。

眠れない夜

翌朝、私は箱のことを考え続けていた。

何かをしなければならない気がしてならないが、どうすればいいのかわからない。箱を掘り出して見たことが正しいのか、それとも触れてはいけないものだったのか。何か大きな過ちを犯してしまったような気がしてならなかった。そして、その夜からまた音が再び鳴り始めるのだった。

だが今度は、音の性質が少し変わっていた。それは、ただの「カサカサ」という音ではなく、まるで誰かが何かを叩いているような低い音が混じり始めたのだ。

音の激化と恐怖

私は再び布団にくるまり、耳を塞いで音をやり過ごそうとした。しかし、音は今までよりもはるかに近く、そして圧倒的だった。家全体がその音に包まれているような感覚に襲われ、逃げ場がないことを悟った。

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