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【怖い話|短編】三瓶山の呪い

三瓶山の呪い
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三瓶山の呪い

島根県のほぼ中央に位置する三瓶山。その美しい稜線は、まるで緑の絨毯を敷き詰めたかのように広がり、多くの登山客を魅了する。しかし、その美しさとは裏腹に、古くからこの山には恐ろしい伝説が語り継がれていた。

美しい三瓶山

それは、全身毛むくじゃらで、一つ目を持つ猿のような生き物の話。地元の人々は、その生き物を「一つ目の猿」と呼び、ひっそりと恐れていた。山に登る際には、必ずお守りを持ち、決してその生き物に近づかないように注意を払っていた。

一つ目の猿の呪い

ある夏の夕暮れ時、大学生のグループがキャンプのために三瓶山を訪れた。彼らは伝説を聞いてはいたが、若気の至りで深く気に留めていなかった。

「なぁ、一つ目の猿って本当にいるのかな?」

山に挑む若者

「まさか、そんなのただの作り話だよ」

学生たちは談笑しながら、山道を登っていた。夕日が山肌を赤く染め、辺りは静寂に包まれていた。

しばらくすると、不気味な鳴き声が聞こえ、彼らの目の前に全身毛むくじゃらの生き物が現れた。暗闇の中でその姿ははっきりとは見えなかったが、確かに一つ目を持っているようだった。

恐怖の遭遇

学生たちは恐怖で立ちすくんだ。生き物は彼らを見つめると、ゆっくりと森の奥へと消えていった。

その夜、学生たちはキャンプファイヤーを囲んで楽しんでいたが、次第に異変を感じ始めた。体がだるく、熱っぽい。頭痛もひどくなってきた。

「まさか、あれが一つ目の猿だったのか?」

学生たちは不安になり、急いで山を下りて病院へ向かった。しかし、医師たちは原因不明の病に首をかしげるばかり。

学生たちは日に日に衰弱していき、数週間後には全員が入院を余儀なくされた。彼らの症状は悪化の一途をたどり、ついには意識不明に陥ってしまった。

悲劇の結末

この事件は地元で大きな話題となり、三瓶山の伝説はさらに現実味を帯びた。以来、山に登る人は激減し、山は再び静寂に包まれた。

地元の人々は、この事件をきっかけに、山の神への信仰を深め、自然への畏敬の念を新たにした。そして、三瓶山は再び、美しいながらも神秘的な場所として、人々の心に刻まれることとなった。

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