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【怖い話|短編】『遺影』

遺影
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遺影

1: 名無しさん 2016/09/20(火) 23:03:32 ID:YS15VIZQ0

あまり怖くないですが、体験した話を書きたいと思います

私が中学生の頃の話です

ある日、奇妙な夢を見ました
母の従姉(以下「おばさん」)が喪服姿で誰かの遺影を抱えて静かに泣いているのです
どうやらそこはお通夜のような場所で、おばさんの周りには喪服を着た人影が何人もいました
また、遺影も奇妙なことに、シルエットは写っているけど全体が真っ黒で誰だかわかりませんでした
そして私はおばさん達の姿を、箱の中で仰向けに寝そべった状態で眺めていました・・・

“まるで棺桶みたいだなぁ”
そう感じると同時に目が覚めました
あの遺影が誰だったのか気になりましたが、当時おばさんの旦那さんが他界していたので
きっとその人だろうと思うことにしました
夢のことを母に話そうか迷いました。でも、不吉な内容だったし所詮夢は夢、と思い
誰にも話さずに普段の生活を送りました

その日は夕方から夜まで塾がある日でした
授業を終え、いつも通りに母の迎えを待っていました
その頃には夢のことは気にも留めておらず、お腹減ったなぁなどと呑気に待っていると
しばらくして母の車が来ました

2: 名無しさん 2016/09/20(火) 23:04:23 ID:YS15VIZQ0

続きです

乗り込むと同時に、私は少し違和感を感じました
いつもなら「おつかれ~」と言ってくれる母が黙っているのです
私の顔をじっと見つめながら、発車もせずに黙っていました
こちらがただただ見返していると、一言、
「おばさんとこのA兄ちゃん(仮名)が死んだって」

“あの遺影はおじさんじゃなくてA兄ちゃんだったのか!!!”

悲しいとかショックとかを感じる前に、そう合点したのを今でもはっきりと覚えています
と、同時に、夢の光景がフラッシュバックしてきて
本当に背筋が凍ってしまうかのような悪寒が走り、全身に鳥肌が立ちました

A兄ちゃんというのはおばさんの一人息子で、私にとって再従兄(はとこ)にあたる人物です
だいぶ年が離れていたので、あまり遊ぶことはありませんでしたが
いつも笑顔で、穏やかな優しい人でした
A兄ちゃんの結婚式では、披露宴で新郎新婦にプレゼントを渡してとても喜んでくれたのを覚えています

しばらく迷ったあと、私は母に今朝見た夢の話をしました
事後だから信じてもらえないかなと不安でしたが、
母は茶化すことなく、だた静かに「そうやったん・・・」と言い、
それ以降互いに一言も話すことなくに家路に着きました

ここからは後日談になります

死因は心臓発作だと聞いていたのですが、
7,8年ほど経ったある日、「本当は自殺だった」と母から聞きました
当時は噂になるといけないという理由でおばさんや母、祖母を含む数名しか事実を知らなかったそうです
その夜に私があんな夢の話をしたものですから、母もかなり怖かったそうです
「あんたが一番若い親戚やから伝えやすかったんかなぁ」と彼女は言っていました

自殺の原因はわかりません
でも、また同じような夢を見たら・・・身近な人が出てきたら・・・
今でもふと怖くなるときがあります

3: 名無しさん 2016/09/20(火) 23:08:25 ID:YS15VIZQ0

以上で話は終わりです
昔の記憶なので細かい箇所は書けませんでしたが、全て実話です
ここまで読んでくださりありがとうございました

引用元:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/9405/1474380212/

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