【教訓】忘れられたスマホ
ある日、電車に乗ったら、座席にスマホが置いてあった。誰かが忘れたんだろう。でも、誰もそれに気づいてないみたい。拾って駅員に渡すべきかな、と思ったけど、面倒くさいし、誰かの大事なものだろうに、放っておくのもなんだかなあと迷ってた。
すると、そのスマホが急に鳴り始めた。画面には「ママから」と表示されている。これは絶対に大事な電話だ。迷ったけど、出ることにした。「もしもし、あなたは誰?」と女性の声。説明して、スマホを駅員に渡すと伝えたら、彼女はとても安心した様子で、感謝していた。
でも、その晩、何か変だった。部屋の中がなんだか冷たく感じるし、なんとなく視線を感じるような…。気のせいかと思ったけど、何かがおかしい。その夜はほとんど眠れなかった。
翌日、ニュースで衝撃的な事実を知った。昨日、私が乗っていた電車で、ある女性が行方不明になっていた。そして、その女性のスマホが私が拾ったものだということ。でも、もっと恐ろしいのは、その女性が最後にかけた電話が「ママ」へのもので、通話したのは私だけだったこと。
どうやら、その女性は何者かに追われていて、助けを求めようとしていたらしい。もし、もっと早く気づいていれば…。私はただ、無関心で、自分のことしか考えていなかった。
それから、夜な夜な、彼女の声が聞こえるようになった。「なぜ助けてくれなかったの?」と。私はその声から逃れられない。彼女の命を救うチャンスがあったのに、それを逃した。それが私の罪。無関心は、時に大きな代償を払わせる。
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