忘れられた写真
昔、小さな町の写真屋さんでアルバイトしていたときのことです。ある日、一枚の古い写真が見つかりました。それは、町の古い家族写真のようで、笑顔の両親と子供たちが写っていました。
しかし、その写真には奇妙なことがありました。家族の一員であるはずの子供の一人が、顔が真っ黒に塗りつぶされていたのです。最初は誰かのいたずらかと思いましたが、写真屋の主人は青ざめて、「この家族、20年前に火事で亡くなったんだ… でも、その子供だけは見つからなかった」と教えてくれました。
後日、その写真を調べてみると、実は塗りつぶされた子供の顔は後から加工されたものではなく、最初からそのように写っていたことが判明しました。その事実を知ったとき、私は背筋が凍るような恐怖を感じました。
その子供は一体どこにいたのでしょうか。そしてなぜ、最初から顔が写らなかったのでしょうか。その答えを知る者はもういませんが、写真屋の主人は以来、その写真を見るたびに静かに祈るようになりました。
最後の電話
私の友人は、ある夜、亡くなった祖母から電話を受けたそうです。祖母は数ヶ月前に亡くなっていたため、友人は最初、信じられなかったそうです。しかし、電話の向こうの声は明らかに祖母のもので、昔の思い出話や家族のことを話していました。
友人は怖くなって電話を切ろうとしましたが、祖母は「もうすぐ君のところに行くからね」と言い、電話は切れました。
その話を聞いたとき、私たちはただの悪い冗談だと思いました。しかし、翌日の朝、友人が交通事故で亡くなっているのが発見されました。事故の原因は謎のままで、友人の携帯電話も見つかりませんでした。
その電話は、本当に亡くなった祖母からのものだったのか、それともただの偶然だったのか、誰にも分かりません。しかし、友人が受けた最後の電話が「もうすぐ君のところに行くからね」という言葉だったことは、私たちに深い恐怖を与えました。
消えた友達
中学時代、僕には親友がいました。彼とは毎日一緒に学校へ行き、放課後もよく遊んだものです。しかし、ある日を境に彼は突然学校に来なくなりました。僕は彼が何かトラブルに巻き込まれたのではないかと心配しましたが、先生や他のクラスメイトは彼のことを覚えていない様子で、彼の名前を聞いても「そんな生徒はいない」と言うばかりでした。
僕は彼の家へ行ってみることにしました。彼の家は僕の家からそれほど遠くない場所にありましたが、そこに着いてみると、その家はもぬけの殻で、まるで長い間誰も住んでいなかったかのようでした。
混乱しながらも、僕は彼と一緒に撮ったはずの写真を探しました。しかし、その写真の中からも彼の姿は消えており、僕が一人で写っているだけでした。それでも彼の存在を信じていた僕は、何が起きたのか理解できずにいました。
数年が経ち、大人になった今でも彼のことははっきりと覚えています。しかし、彼の存在を知る人は僕以外にはいないようです。彼は一体どこへ消えたのでしょうか。そして、なぜ僕だけが彼のことを覚えているのでしょうか。
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