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【洒落怖】時の狭間で消えた同僚

【洒落怖】時の狭間で消えた同僚

私が新しいプロジェクトチームに配属された日、奇妙な同僚、松田と出会った。

彼は他の誰とも異なり、時代遅れの服装と古風な話し方で、まるで過去から来たかのようだった。最初はただの風変わりな人だと思っていたが、彼の予言的な発言と不可解な行動が次第に私の好奇心を刺激した。

彼は技術の話をするとき、未来の出来事を過去形で語ることがあり、その正確さには誰もが驚かされた。しかし、彼の周りには常に不可解な空気が漂っていた。

日々を共にするうちに、松田との奇妙なつながりを感じ始めた。

ある晩、彼と二人きりで残業していると、彼は衝撃的な告白をした。「実は、私は未来から来たのだ」と。彼の話によれば、タイムトラベルは可能だが、多大なリスクと代償が伴うという。彼は特定のミッションを遂行するために、過去に送り込まれたのだとか。

私は半信半疑で聞いていたが、彼が私の近い将来に起こる出来事を詳細に予言し、その一つ一つが現実になっていくのを目の当たりにした。

松田は私に警告した。

「ある出来事がきっかけで、お前の人生は大きく変わる。しかし、その変化は必ずしも幸福を意味するものではない」と。彼の言葉は次第に重くのしかかってきた。

そして、彼の予言した通りの出来事が起こり、私の人生は一変した。最初は幸運の連続のように思えたが、やがてその代償として失うものがあることを知る。幸せだと思っていた瞬間が、実は不幸の始まりだったのだ。

最後に松田が残した予言は、「私がいなくなった後、真実が明らかになる」というものだった。

そして、ある日突然、彼は消えた。彼の机には何も残されておらず、彼を知る人々すら彼の存在を覚えていないかのようだった。私だけが、彼と過ごした時間、彼の話した未来の話を記憶している。松田の予言はすべて現実となったが、彼の最後の言葉の意味するところは、今もなお謎のままだ。

彼の存在が示したのは、時間の流れは一つではなく、私たちの選択が未来を作り変えるということ。しかし、その選択には必ず代償が伴うのだという厳しい真実を、私は今も胸に刻んでいる。

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