【洒落怖】雪山の守り神
海外の雪山への挑戦は、私たちのチームにとって、常に最高の冒険であった。
登山が趣味の私たちは、世界中の多様な山々に挑戦してきた。しかし、今回の遠征が私たちの人生で最も謎に満ち、恐怖を感じさせる体験となるとは、想像もしていなかった。
その日、晴れ渡る空の下で、雪に覆われた山々が輝いていた。チームと共に、私たちは雪山の頂を目指していた。準備万端で、自信に溢れて出発した。
しかし、山の天候は予測不可能で、昼過ぎには突如として嵐に見舞われた。一瞬にして、視界は真っ白に。
「こりゃまずい、このままじゃ…」
視界を完全に奪われ、方向感覚も失った私たちは、やがて疲労のあまり雪の中に倒れ込んだ。
意識が朦朧とする中、私は巨大な影が私たちに近づいてくるのを感じた。それがビックフットだったのかどうかは定かではないが、その巨大な体に抱え上げられる感覚があった。
目を覚ますと、私たちは暖かい洞窟のような場所にいた。
体には暖かい毛皮がかけられており、生命の危機を感じることはなかった。
しかし、私たちはその恩人が誰なのか、一体何だったのかを知る由もなかった。洞窟内には、私たちを助けた存在の痕跡はあったが、その姿を見ることはなかった。
「あれは一体何だったんだ?」
チームメンバーと顔を見合わせながら、私たちは彼―もしそれが何者であれ―について話し合った。
しかし、どれだけ考えても答えは出ない。ただ、私たちが生きていること、そして何者かに救われたことだけが確かだった。
嵐が収まり、私たちは再び外の世界へ戻ることができた。洞窟を出る際、何かを言わんばかりに振り返ったが、そこにはもう何もなかった。ただの洞窟だった。
私たちは山を下り、文明の世界へと戻った。
しかし、あの体験は私たちの心に深く刻まれた。あれは夢だったのか、現実だったのか。ただ一つ確かなことは、あの雪山での出来事が私たちの人生観、そして自然に対する尊敬の念を変えたということだ。
今でも時々、あの雪山のことを思い出す。そして、あの不思議な存在が、今もどこかで静かに生きているのではないかと想像する。
私たちは、その体験を通じて、自然の神秘に触れ、その偉大さを改めて感じたのだ。
あれから私たちは、山というものをただの挑戦の対象ではなく、生命を育む尊い場所として見るようになった。そして、私たちがこの広大な自然の中でどれほど小さな存在であるかを理解した。
あの体験は、私たちにとってただの冒険ではなく、生き方そのものを見つめ直すきっかけとなったのだった。
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