【洒落怖】深夜のオフィスビル
会社のオフィスで起こった出来事は、深い心の傷として今も残っています。
遅い時間まで残業していたある夜、同僚の佐藤が会議室の隅にある盛り塩に気づきました。
「これ、何?」彼が小声で尋ねたのを覚えています。
オフィスには、以前起こった奇妙な出来事の後、いくつかの場所に盛り塩が置かれていました。
「あれは、おまじないみたいなものだよ。触らない方がいいってさ」と私は答えました。
しかし、佐藤は私の忠告を無視し、笑いながら盛り塩を崩し、掃除してしまいました。「こんな迷信、信じてたまるか」と彼は言いました。
その夜から、佐藤の様子が変わりました。
彼は次第におかしくなり、何かに怯えるようになりました。そして、突然、仕事を辞めてしまいました。後になって、彼が精神病棟に入院していることを知りました。
彼が盛り塩を崩した後に起こった変化には、誰もが戸惑いました。
オフィスでは、以前のように夜遅くまで残業することがあっても、誰もが盛り塩の近くを避けるようになりました。そして、深夜のオフィスで時折感じる不可解な現象に、心の中でただ祈ることしかできませんでした。
数ヶ月が経ったある日、私のもとに佐藤から手紙が届きました。手紙を開けると、中から彼の書き殴った文字が現れました。
その文字はただ一言、「死にたい」と。
この手紙を受け取った時、私は言葉を失いました。
佐藤がどれほどの苦しみを抱えていたのか、その深さを改めて思い知らされました。彼の行動が原因で起こったのか、それとも他に理由があったのかは分かりません。
しかし、彼が経験した恐怖は、確かに現実のものでした。
今でも、オフィスで一人残業する夜には、佐藤のことを思い出します。
彼からの手紙は、私たちにとって忘れられない、重い警告のメッセージとなりました。
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