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【洒落怖】霊感の強い友人の話

【洒落怖】霊感の強い友人の話

かつて、霊感の強い友人がいた。

彼の名前は健一。健一は人よりも何かを感じ取る力が強く、それが原因で時には苦しんでいるように見えた。私たちは子供の頃からの親友で、彼の特別な能力を知っている数少ない人間の一人だった。

ある夜のこと、健一から急に連絡が来た。「今夜、何かが起こる。助けが必要かもしれない」と。彼の声には明らかに恐怖が含まれていた。私はすぐに彼の家へと向かった。

彼の家に着くと、健一は既に玄関で待っていた。彼の顔色は蒼白で、目には恐怖が満ちていた。「今夜、彼らが来る」と彼は言った。

その「彼ら」の意味するところを私はすぐには理解できなかった。

健一の部屋に入ると、空気が一変した。部屋の隅々に冷たい気配が漂っている。健一は私に何かを見せようとした。彼の霊感が捉えた、この家に棲む幽霊の存在だ。

部屋の中央に立つと、彼は静かに囁き始めた。「ここにいます。感じますか?」その瞬間、部屋の気温が急激に下がり、私の背中に冷たい手が触れる感覚があった。

心臓が止まるかと思うほどの恐怖を感じた。

突然、部屋の中に不気味な声が響き渡った。それは彼ら、この家に棲む幽霊たちの声だった。声は次第に大きくなり、健一はそれに応じて何かを囁き続けた。彼の顔は苦痛に歪んでいく。

それから何が起こったのか、詳細は覚えていない。

ただ、次に意識を取り戻した時、健一は床に倒れていた。彼の体からはもはや生気が感じられなかった。幽霊たちは彼を通して何かを成し遂げようとしていたのかもしれないが、その代償として健一の命を奪ってしまったのだ。

健一の葬儀の後、私は彼の家を再び訪れたことはない。

しかし、あの夜の出来事は今でも私の心に深く刻まれている。健一が最後に見たものは何だったのか、彼が感じた恐怖はどれほどのものだったのか、それを知る術はもうない。

霊感の強い友人の末路を目の当たりにして、私は幽霊や超自然的な現象に対する恐怖だけでなく、敬意も持つようになった。

私たちの見ることのできない世界が確かに存在し、時には恐ろしい結果をもたらすこともあるのだということを、健一の体験は教えてくれたのだから。

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