両面宿儺(リョウメンスクナ)の伝説
かつてインターネット上で、怖い話の代表格となった、「両面宿儺(リョウメンスクナ)」の話はご存知だろうか?ある宗教家による日本転覆を試みた、ある種の兵器と呼べる代物。だが、実際のリョウメンスクナはそう言った類のものでは決してない。
古くは日本書記に登場する凶賊。岐阜県の伝承によれば、その地方の英雄とも呼べる豪族で、リョウメンスクナのその名の通り、前と後に顔を持ち、手足が合計8本と言う奇形な姿で描写される、歴とした伝承に基づく存在である。
そんなリョウメンスクナだが、最近某SNSで話題となっている。
その話題と言うのが「SNS上に掲載されたリョウメンスクナの実物の写真を見た人間は、それを24時間以内に5人に拡散しなければならない。」と言うもの。数十年前に流行ったチェーンメールの様な内容ではあるが、SNSの特性もあり爆発的に拡散されていると言うのだ。そして、拡散しなければ恐ろしい災いが訪れるという。
大学に通うA君は、友達も多く、この手の話題は一方向のみならず四方八方から入ってくるのが日常だ。リョウメンスクナの話も、やはり多方面から拡散を促す内容の連絡が来ていた。マメな性格ではないA君だったため、拡散せずに24時間以上放置していた。その結果、25時間経過した時間丁度に、脳溢血で帰らぬ人となった。
B君は几帳面でおとなしい性格だったが、やはり拡散をせず亡くなっている。どうやら真剣に考えすぎ、周りに迷惑を掛けられないとして拡散をしなっかった。かなり凄惨な最後だったと噂されている。まだ高校生だったのにだ。
その後、この話はSNSを通じてさらに広まり、多くの人々が恐怖に怯えるようになった。特にこの現象が広がったのは、若者を中心としたコミュニティであり、彼らはこの不可解な連鎖に翻弄されていた。
Cさんは、ある夜、友人からその写真を送られてきた。彼女はその類の迷信を信じない理性的な人物であったが、不思議とその写真から目が離せなくなった。写真には、前述の通り、前後に顔を持ち、手足が8本ある異形の姿が写っていた。その目は、見る者の心を読むかのように、Cさんを直視しているようだった。
Cさんは迷った末、この写真を5人の友人に送った。しかし、その2日後から自宅の周りで奇妙な現象が起こり始めた。夜な夜な、窓の外から何かが彼女を覗き見ている。これは気配ではなく、誰かが本当に見ているのだ。最初は気のせいだと思おうとしていたが、それはすぐに限界を迎えた。
数日後、Cさんは自宅で一人何者かに襲われ、血だらけの状態で倒れているところを発見された。出血が酷く、病院に搬送された頃にはほぼ絶命に近い状態であったが、幸いにも命は取り留めた。しかし、彼女は何があったのか一切語ることができなくなってしまった。医師は「極度の精神的ショックによるもの」と診断した。
この事件を境に、リョウメンスクナの写真に関する噂はさらに加速度的に広がり、それと同時に不可解な事故や急死が増えていった。ご存じかわからないが、火葬場が予約でいっぱいになっていて、一部では問題となっている。人々は恐怖に怯え、誰もがSNSを通じて受け取ったその写真を拡散するか、しないかで大きな葛藤を抱えるようになった。
果たして、リョウメンスクナの写真の真の恐ろしさとは何か?そして、この噂の背後には何があるのか?
そして、あなたの手元にこの話が回ってきた時、あなたならどうする?
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