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【洒落怖】見えない隣人

【洒落怖】見えない隣人

私の名前はハルカ。

この話は、私が新しいアパートに引っ越してきたときのことです。
新居は静かで、最初は快適に感じました。

しかし、すぐに奇妙なことに気づき始めました。

アパートの隣室はいつも静か。

入居者がいる気配はあるのに、出入りする人の姿を見たことがありませんでした。

ある晩、壁越しに誰かが話す声が聞こえてきました。
内容は不明瞭だったけれど、不安を感じるような声のトーンでした。

好奇心が勝り、隣の部屋について管理人に尋ねたところ、「あの部屋には誰も住んでいない」と告げられました。

それを聞いて、私の背筋が凍るような感覚に襲われました。

その夜、また声が聞こえてきました。
今度はよりはっきりと。

私は勇気を出して壁に耳を澄ませた。

すると、「助けて」という言葉が聞こえてきました。
恐怖で体が動かなくなり、その夜は眠れませんでした。

翌日、私は警察に連絡し、隣室を調べてもらうことにしました。

警察が扉を開けると、中からは異臭が漂ってきました。

部屋は完全に空で、人が住んでいた形跡は一切ありませんでした。

しかし、その後も夜になると声は聞こえ続けました。私はますますその声に取り憑かれるようになり、ついに自分で壁を壊して調べることにしました。

壁の中には何もなかったはずですが、ハンマーを振り下ろした瞬間、衝撃と共に奇妙な光景が目の前に現れました。

壁の中から、古い写真や手紙が散乱していました。そこには、数十年前にこのアパートで起こった悲劇の話が綴られていたのです。

写真に写る人々の表情は、どこか悲しみを含んでいました。

手紙には、隣室に住んでいた家族の悲劇が記されていました。

その家族は何者かによって命を奪われ、事件は未解決のままだったのです。

そして、その家族の中には、私と同じ名前の少女がいました。

私は、このアパートに引っ越してくる前から、何かに引き寄せられるような感覚を覚えていました。

そして今、その理由が明らかになったのです。
私は、その少女の魂が発する声に導かれてこの場所に来たのかもしれません。

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