【不思議】夜中の廃病院での出来事
この話は、僕が高校生の時に体験した本当にあった怖い話だ。
ある夜、友達に誘われて、町の外れにある廃病院を探検することになった。
廃病院はかなり古く、すでに何年も人の手が入っていない状態だった。
そこへ真夜中に忍び込むというのは、正直かなり怖かった。
月明かりだけが頼りの廃病院の中は、想像以上に不気味だった。
壁には剥がれたペンキが、そして床には散らばった破片が月光に照らされていた。
友達は興奮していたが、僕は足取りが重かった。
何かが起こりそうな、そんな予感がしていた。
廊下を歩いていると、ふと冷たい風が吹き抜けた。
その時、背後からガラガラと音がした。
振り返ると、そこには…
廊下の奥から、静かに軋むような音が聞こえてきた。
友達と顔を見合わせると、友達は少し顔色を変えていた。
音の方向に進む勇気はなく、二人で立ち尽くしていた。
そこへ、ふと、壁にかけられた古い時計が目に入った。
時計はとっくに止まっているはずなのに、針がゆっくりと動いているように見えた。
気のせいかと思いつつも、その時計をじっと見つめていると、急に友達が「帰ろう」と小声で言った。
僕もうなずき、二人で廃病院を後にした。
帰り道、友達は何も話さず、僕も何も言えなかった。
ただ、あの夜の出来事が今でも時々頭をよぎる。
あの時計の針が動いたのは、本当に気のせいだったのか、それとも…
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