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【怖い話|短編】血塗られた13階

血塗られた13階
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血塗られた13階

雨の降りしきる深夜2時、広告代理店で働く美咲は、残業を終え、疲れ切った体を引きずってマンションへと戻ってきた。築40年の古いこのマンションは、薄暗い廊下に不気味な静けさが漂っていた。

深夜残業、不気味なマンションへ

エレベーターに乗り込むと、古びた機械音が鳴り響き、ゆっくりと上昇していく。

13階を通過した瞬間、エレベーターがガタガタと激しく揺れ、停電した。非常灯がつき、薄暗い空間の中で美咲は恐怖に襲われた。すると、閉じたエレベーターの扉の下から、真っ赤な血がゆっくりと流れ込んできた。心臓が凍りつくような恐怖を感じた美咲は、叫び声を上げようとするが、声が出ない。

13階の悪夢、血塗られたエレベーター

血はどんどん流れ込み、美咲の足首を濡らし始めた。生暖かい感触に吐き気を催し、必死に扉を叩くが、反応はない。血は膝まで達し、スカートを真っ赤に染めていく。

恐怖でパニックになった美咲は、バッグからスマホを取り出し、助けを求めようと110番に電話をかける。しかし、圏外で繋がらない。絶望感に打ちひしがれ、美咲は泣き崩れた。

その時、エレベーターの照明が突然点灯し、同時にけたたましいブザー音が鳴り響いた。驚いて顔を上げると、エレベーターの扉が開いていた。目の前には、血まみれの女性が立っていた。

その女性は、顔中を血で覆われ、眼球は白く濁っていた。口からは血が滴り落ち、長い黒髪は血糊で固まっている。その姿を見た美咲は、恐怖のあまり気を失ってしまった。

血まみれの女、恐怖の遭遇

どれくらいの時間が経ったのか、美咲は冷たい床の上で目を覚ました。エレベーターの中は、血の痕跡もなく、まるで何もなかったかのように静まり返っていた。恐る恐る1階へ降りると、管理人室の明かりがついていた。

管理人に助けを求めようと近づくと、ドアの隙間から血まみれの足が見えた。恐怖で後ずさりした美咲は、マンションから飛び出し、雨の中を必死に走り出した。

13階の呪い?失踪した女性の霊?

その後、美咲は警察に助けを求めたが、マンションのエレベーターには異常は見つからず、血の痕跡も発見されなかった。しかし、美咲はあの夜の恐怖を忘れられず、精神的に不安定な日々を送ることになった。

数日後、美咲は意を決してインターネットでこのマンションについて調べてみた。すると、13階に住んでいた女性が、数ヶ月前に謎の失踪を遂げていたことが判明した。さらに、その女性は生前、エレベーターで不可解な現象に悩まされていたという噂もあった。

美咲は、あの夜、血まみれの女性に遭遇したのは、13階の呪いだったのではないかと考えるようになった。以来、美咲はエレベーターに乗ることができなくなり、引っ越しを余儀なくされた。

あのマンションの13階には、今も血塗られた女性の霊が彷徨っているのだろうか。そして、あの夜、美咲が見たものは、一体何だったのか。真相は闇の中へと葬られ、永遠に解き明かされることはないだろう。

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