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【意味怖】意味がわかると怖い話『時計の音』
毎晩、私の部屋のどこかで時計の音が聞こえる。
カチカチとリズミカルに。
でも、私の部屋には時計なんてない。
音の出所を探してみたけど、見つからない。
ある晩、その音に耳を澄ませていると、隣の部屋から聞こえているような気がした。
隣の部屋は、亡くなった祖父の部屋。祖父は古い時計のコレクターだった。
勇気を出して、その部屋を開けた。
時計の音は、確かにそこから聞こえる。
でも、そこには動いている時計は一つもなかった。
部屋を出ようとした瞬間、音が止んだ。
そして、はっと気づいた。
祖父が亡くなったのはちょうど1年前の今日。
そして、その時計の音は、祖父が亡くなる直前に聞いていた最後の音だった。
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