【洒落怖】洒落にならない怖い話『消えた友人のメッセージ』
大学時代、私たちのグループには、いつも陽気で明るい友人、ケンジがいました。
ケンジはその年の夏、海外旅行に行くと言って、突然姿を消しました。
誰も彼の行方を知らず、連絡も取れなくなったのです。
数年が経ち、私たちはケンジのことを忘れかけていました。
しかし、ある日、私の携帯に見知らぬ番号からメッセージが届きました。
内容は
「助けて。ここから出られない。」
というもの。
署名には「ケンジ」とありました。
驚きつつも、最初は誰かの悪戯だと思いました。
しかし、その後もメッセージは続き、どんどん内容が不気味になっていきました。
「誰かがいる」
「暗い、寒い」
「忘れないで」
というような言葉が続きました。
不安になった私は、大学時代の友人たちにこの話をしたところ、彼らも同様のメッセージを受け取っていたと言いました。
私たちはケンジが最後に訪れた海外の場所を調べ、何か手がかりがないか探し始めました。
しかし、その途中で衝撃の事実が判明しました。
ケンジは海外で事故に遭い、旅行中に亡くなっていたのです。
この知らせに私たちは愕然としました。
なぜ今になって、亡くなったケンジからのようなメッセージが届くのか。
それが何を意味するのか、誰にも分かりませんでした。
混乱する中、私たちはケンジの家族に連絡を取り、事情を話しました。
ケンジの家族も、彼の死後に奇妙な出来事が続いていると言いました。
家の中で物が勝手に動く、ケンジの声を聞くなどの現象が起きていたそうです。
私たちはケンジが亡くなった場所を訪れることに決めました。
そこは古びた小さな町で、彼が最後に訪れた宿泊施設は、今は廃墟と化していました。
その場所で、私たちは不思議な感覚に包まれました。
まるでケンジが近くにいるかのような、不思議な空気が漂っていました。
廃墟を探索していると、ケンジが使っていたと思われる古いカメラが見つかりました。
カメラの中には、彼が最後に撮影したと思われる写真が残されていました。
その写真には、ケンジと知らない人々が一緒に写っているものが多く、その中の一枚には、ケンジが何かに怯えているような表情で写っているものもありました。
その場所から帰った後、私たちは再びケンジからのメッセージを受け取りました。
今度のメッセージは
「ありがとう、さようなら」
というものでした。
その後、メッセージは二度と届かなくなりました。
ケンジの謎は完全には解けませんでしたが、私たちは彼が何かを伝えようとしていたのではないかと感じています。
彼の魂が安らかになることを願いつつ、私たちは彼のことを決して忘れません。
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