怖いwebサイト
僕はいつものように、夜更かしをしてインターネットを徘徊していた。深夜2時を回り、眠気も感じ始めた頃、ふと目に入ったのは「閲覧注意」と書かれた怪しいリンクだった。普段ならスルーするところだが、その日はなぜかクリックしてしまった。
画面が一瞬真っ黒になり、ゆっくりと文字が浮かび上がる。
それは「お前を見ている」という単純なメッセージ。
僕は一瞬、誰かに監視されているような気がして、心臓が早鐘を打った。でも、すぐに「よくある怖がらせるサイトか」と思い直した。画面を閉じようとするが、マウスが動かない。キーボードも効かない。画面の中央に新たなメッセージが現れる。
「閉じられないよ」
冗談じゃない。パソコンがフリーズしたのかと思い、電源を切ろうとするが、それすら効かない。そして、画面が切り替わる。今度は暗い部屋の中、僕がパソコンに向かっている後ろ姿を映し出す映像が流れた。まるで、僕の部屋のどこかに隠されたカメラからの映像のようだ。
背筋が凍る思いで後ろを振り向くが、当然そこには誰もいない。しかし、心臓の鼓動は速まる一方で、部屋の隅々を怖じ気づいて見回す。画面には新たなメッセージが。
「君のスマホも見てるよ」
本能的にスマホを手に取ると、ロック画面には自分がパソコンに向かっている写真が表示されている。この写真は明らかに今夜、今この瞬間に撮られたものだ。
パニックになりながらも、僕は何とか冷静さを保とうとした。このサイト、何者かにハッキングされたのか?それともただの悪質ないたずらなのか?どちらにしても、警察に相談するしかない。
その瞬間、画面に最後のメッセージが表示された。
「警察には言わない方がいいよ。なぜなら…」
僕が身構える中、メッセージは続かない。しかし、その時、スマホが自動で何かを操作し始めた。僕のSNSアカウントから、見知らぬ人々へ奇妙なメッセージを送り出している。完全にコントロールを失った感覚に陥り、僕はただ呆然とするしかなかった。
突如、画面が真っ暗になり、全ての電子機器が同時にシャットダウンした。真っ暗な部屋の中、唯一聞こえるのは、僕の荒い息遣いと、心臓の激しい鼓動だけだった。
その夜以来、僕はオンラインの世界を信じられなくなった。そして、誰かに見られている感覚から逃れられなくなった。この話がただのフィクションであることを、心から願うばかりだ。
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