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【怖い話|短編】赤い郵便屋さん

赤い郵便屋さん
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赤い郵便屋さん

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突然だが、赤い郵便屋さんはご存知だろうか?

「何言ってるの?郵便は赤いでしょ?」と思う方もいるかも知れないが、それはポストの話だ。赤い郵便屋さんは全てが赤い。全身が赤で統一され、赤い手紙を配る。30年も前に流行った都市伝説の類の話だ。だが、どうやら最近になってまた話題になっているらしい。

都市伝説の再来

赤い郵便屋さんは、深夜に現れる。異様に長い影を落としながら、無言で家々を回る。彼の顔は、赤い制服の襟で隠され、常に大きな帽子が目深に被せられているため、その表情を知る者はいない。そして、彼が配る手紙は、厚い赤い封筒に封じられ、受取人の名前は書かれていない。

赤い郵便屋さんの現れ

とある大学生が友人たちとの会話でこの話を耳にし、半信半疑ながらもその真実を確かめたくなった。大学生は、赤い郵便屋さんが現れるという日付の深夜、自宅の前で待機することにした。

待つこと数時間、深夜の静けさの中、足音一つ聞こえない静寂を破るように、彼は現れた。赤い郵便屋さんは、大学生の目の前に立ち、赤い封筒を差し出した。手に取った封筒は、異様に温かく、何か生命の鼓動のように感じられる。

 赤い封筒の受け取り

部屋に戻り、封を切ると、中からは血の滲むような赤い文字で「お前の番だ」と書かれた紙切れが現れた。その夜、大学生は眠れず、恐怖に震えた。

手紙の内容と失踪

翌朝、大学生の部屋は空っぽだった。彼の姿を探し求める家族と友人たちに残されたのは、開封された赤い封筒と、真っ赤な文字の書かれた紙切れだけ。そして、家の外には、深夜に配達されたはずの無数の赤い封筒が庭一面に散乱していた。

結末と散乱した赤い封筒

警察は大学生の失踪後、調査をすぐに開始したが、赤い封筒や手紙の存在以外に手がかりは一切なく、事件は謎に包まれたままだ。しかし、警察の話では同様の行方不明者数が年々増加していると言う。おそらく、行方不明者の大半は残念ながら、生きているものは少ないだろう。

もしアナタがこの手紙を受け取ってしまっても、決して封筒を開けないことをお勧めする。一説によると、封筒を開き、手紙をみた瞬間に呪いの類が見たものに襲いかかると言われている。開かなければ、助かる可能性は高いと言えるだろう。

赤い郵便屋さんの正体や目的、そして彼が配る手紙の真の意味は、今もなお謎のままである。

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