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【怖い話|短編】父からの無言電話

父からの無言電話
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父からの無言電話

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これは、つい先日僕の身に起こったことです。

僕は、大学進学を機に上京し、そのまま就職。今も東京の小さなアパートで、一人暮らしをしています。IT関連の会社に就職したのですが、毎日が終電での帰宅という多忙な日々。休日はアクティブに過ごすほど体力がなく、部屋に篭っていることが多くなっていました。

上京と一人暮らしの始まり

その日も仕事が終わらず、途中で切り上げ終電に飛び乗りました。自宅に付きため息をつきながら着替えていると携帯が鳴りました。名前を見ると父からです。時計を見ると、もう深夜1時を回ってました。

「こんな時間にどうしたんだ?」と不安になりながら急いで電話をとったのですが、聞こえてくるのは無言。「もしもーし?どうしたのー?」と言っても応答がありません。間違い電話かな?と思い電話を切りました。

深夜の不思議な電話

明日の日中にでも電話をしてみようと思い、その日は支度をして寝ました。

翌日も激務で、日中父親に連絡しようと思っていたことを僕は忘れていました。いつもと同じように終電で帰宅をすると自宅についたところで電話が鳴りました。また父の名前が表示されています。今回も電話を取ると、相手は無言。不気味な沈黙だけが流れます。

僕は心配になり、電話を切りすぐに実家にかけ直しました。ですが誰も電話に出ません。仕方なく翌朝電話をすることにしてその日も寝ました。

朝、実家に電話をかけると母が出ました。父は数日出かけていて、不在だと母は言います。夜中にかかってきた電話のことを母に尋ねるが、母は混乱した様子でした。

母が言うには、父は今電話ができる状態じゃないとのこと。また連絡するからと一方的に電話を切られてしまいました。その様子をみて僕の不安はより大きくなりました。

そして、その夜もまた深夜1時に携帯が鳴ります。彼は恐る恐る電話に出ると、やはり今回も無言。しかし、今回は背後から微かに呼吸をする音が聞こえてきます。僕は恐怖感が大きくなり、急いで電話を切りました。その瞬間、部屋の隅で何かが動いたような気がして、振り返りましたが何もいない。ただの気のせいだと自分に言い聞かせ、僕はその夜も眠りにつきました。

父からの電話

翌日、再び母に電話をしました。そこで再度夜中の電話のことを聞きました。

すると母は観念したようで、父が数日前に病院で亡くなったことを告げました。母は僕が仕事が忙しく疲れ切っていることを知っていたため、負担をかけないよう時期をみて父のことを話そうと思っていたようです。

僕は驚きより悲しみの方が大きく、深夜の電話のことなどどうでも良くなっていました。週末に実家に帰る約束をし、電話を切り仕事に向かいました。

その日も、夜の1時になると父の名前で電話がかかってきました。しかし、僕は二度と出ないことを決めました。父はすでに他界しています。この電話は一体誰からなのでしょうね。

その週の金曜、残業はせず、帰郷のため早く帰りました。翌朝一番の新幹線に乗り向かうため、早めに就寝しました。きっと今日も深夜1時になると電話がなるんだろうな…なんて考えながら眠りにつきました。

母からの電話

深夜1時、着信があります。「やっぱりな」と思いながら携帯を見ると、今度は母の名前が表示されていました…。

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